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F所長はこう言います。 「全世界のワクチン製造能力の限界は、大きな足かせとなっています。
長年にわたって欝積していた問題ですが、今では毎年季節性インフルエンザの流行のたびに直面するようになりました。 一般には理解されていませんが、インフルエンザはかなりの死者をもたらします。
アメリ力だけでも年間3万6000人が亡くなっているのです」所長はさらに続けます。 「もしもパンデミックが起きれば、死者の数は数百万人に膨れ上がるでしょう。

でも、インフルエンザが脅威だという認識が欠けているため、ワクチン製造に注意が向けられることはありません」F博士によると、研究の結果ワクチンはかなりの免疫反応を引き起こすことが明らかになったそうで「でも、予想をはるかに上回る用量が必要でした。 (略)ワクチン製造のためのウイルス株をつくり出す科学的技術は不足していませんわ、生産能力が問題なのです」そして、この首景には長年にわたって、肥満などの生活習慣病の治療薬をつくるほうが、伝染病の治療薬よりも製薬会社にとってはずっと大きな利益を生んでいるという問題があります。
F所長はこうまとめます。 「あなたが製薬会社の社長だったとして、2億ドルの予算でバイアグラのような新薬、あるいは脂肪を減らす薬をつくれるとしたら、どうしてわざわざリスクもコストも高くつくワクチンをつくろうなどと思うでしょうか」。
とはいえ、パンデミックを引き起こすウイルスに関する懸念が高まっているのを受けて、各国政府はワクチンへの投資を始めています。 05年9月にはアメリ力政府が、2000万本のワクチンを備蓄する計画の一部として、サノフィアベンティスのワクチン部門、Pと、H5Nl型ウイルスのワクチン供給の契約を結びました。
ワクチンを備蓄できるのは一部の富裕な国だけでしょうか。 世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局の感染症アドバイザ一、O博士は、初期に開発されたワクチンでは、パンデミックのウイルスには効果をもたない恐れが大きいと警告しています。
さらに、パンデミックが起きれば、世界の豊かな国がワクチンを独占してしまうとも懸念しています。 「ワクチンの供給は、パンデミックが始まった場合に重要な問題になるでしょう。
供給のシステムはでき上がっていません」と言います。 力ンボジアやベトナムなど貧しいアジア諸国がワクチンを入手できるかどうかと尋ねると、「恐らくできないでしょう」と答えました。

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